宮古島の下崎地域の井戸には、まだ水が湧いている
12月1日はわたしの祖父の祥月命日だった。
祖父はわたしがまだ幼い頃になくなったのだけれど、当日のことはなぜかよく覚えている。
弟と二人、居間の仏壇の前に布団を敷かれて寝かされていた。
親戚の大人たちが集まったその夜に祖父はあちら側へと旅立った。
大人たちは子どもに不安を与えないようにと、わたしと弟は先に寝させられたので、祖父が旅立ったその瞬間はわからなかったのだが、、、。
どのタイミングかはわからないが、確かに「ド、ドーン!」と鳴り響く音を聞いたことは今でも覚えている。
ずっと後になってからのことだが、祖父がなくなった瞬間に、わたし達が寝ていた仏壇の前に、火柱が立ったというのだ。(でも、不思議なことに焼け跡はなかった)
それから、これもずっと後になってから聞いたことだけれど、祖父が亡くなる日の夕方に、わたしの実家の(つまりわたしが成人するまでいた家だけれど)玄関の前に、二つ盆提灯のような提灯にあかりが灯っていたという。(もちろん12月だから盆提灯などは掲げられていない)
こんな風に世の中には不思議なことがあるのは、きっと誰もが一度くらいは体験しているだろう。
目に見えない事象があることをもろ手をあげて承認することは難しいけれど、でも体験に知っていることは少なからずあるわけだ。
だから、どうやらこの世には説明できないことがあるようだ、、、ということくらいは言えそうだ。
祖父の命日に、そんなことをふっと思ったのでした。