心理学の分野での理論によりますと、「見ることでイメージを取り込む」ということには、次の3つの効果があると言われています。
1、RAS効果
脳にはRAS(Reticular Activating Systemの略)と呼ばれる機能があるということで、日本語では網様体賦活系(もうようたいふかつけい)と訳されています。
何かを意識をすると、それを優先的に脳が認識するという機能なのだそうです。
例えば、妊娠を意識すると街中で、思いの外、妊婦さんの姿をよく見かけるようになるとか、
他にも、やけに青い色や服が気になっているなぁと思うと、そうした色や洋服を着ている人に遭遇するようになるとか・・・
このように、何かを意識すると、
それを優先的に情報を収集するような機能が、
もともと脳に備えられているのだそうです(脳みそ!すごい・・・)
2、プラシーボ効果
プラシーボ効果とは「偽薬効果」ともいわれ、医者が出す薬に有効成分が入っていなくても、
患者が信じていれば、症状が回復するというもので、それを検証した実験もあります。
つまり、
「これは効く」「わたしにも効く」「病状は回復する」といった思い込みができれば、
不思議なことに実際に症状が回復するというものです。
『いわしの頭も信心から』っていうのも、これにあたりますね。
3、ピグマリオン効果
「ピグマリオン」はギリシャ神話の登場人物のことで、
自分の作った彫刻に恋をしたピグマリオンが、
神に祈りを捧げて彫刻を人間にしてもらい幸せに暮らしたという神話です。
このことを説いたのが、
アメリカのローゼンタールです。
実験で、教師が期待をかけた生徒とそうでない生徒では、成績の伸びに明らかな違いが見られたということもよく知られていて、
その対象への期待値が、その後の成長を決定づける大きな要因のひとつになると理論付けています。
このように、目から入った刺激が脳にまで伝わり、脳がその機能によってそれを認識して、上記のような1〜3のような効果を生むということなのです
仏教の「阿字観」など古(いにしえ)の人たちの生み出した行法は、
決して科学的な立場から生まれたものではありません。
でも、日々の苦しい修行の中から、
なんとしてでも修行を完成したい、理想の僧になりたい、
あるいはあらゆる煩悩から解き放たれたいという願いから、こうした技法を生み出していったのだとすれば、、、
それはなんともすごい話だと思いませんか?
イメージの持つ力の素晴らしいところですね。